「出すときは、喜んで出す」という逆転の発想
あるベストセラー作家さんから聞いた話が、ずっと心に残っています。
「出すときは、とにかく笑顔で、喜んで、そして感謝して出す」
小さな買い物のときも、大きな買い物のときも。
多くの人は「お金がなくなったらどうしよう」と不安になりますが、
その作家さんが言うには、その「どうしよう」という不安のエネルギーこそが、
貧しさをずっと引き寄せ続けてしまうのだそうです。
多くの人の考え方とは真逆かもしれません。
でも聞いたとき、なぜか腑に落ちる感覚がありました。
それは、8年くらい前に自分が経験した、ある苦い出来事を思い出したからです。
深夜の駐車場、赤く光るパトランプ
当時、深夜のアルバイトをしていました。
ある日、仕事を終えて「やれやれ」と思いながら駐車場から車を出し、
ウインカーを出した瞬間でした。
突然、後ろでパトカーの赤色灯がぐるぐる回りだしたのです。
「うわっ!」と驚いて確認すると、なんとそこは一方通行。
夜で標識がよく見えていませんでした。
お巡りさんに「見えなかったんです」と伝えても、
返ってきたのは「それは言い訳です」の一言。
結局、しぶしぶ罰金9,000円、減点1点を受け入れることになりました。
まさかの2日連続、そして怒り
そして迎えた翌日。前日と違う場所から車を出したので、
「今度こそ大丈夫」と思ってウインカーを出しました。
ところが、またしてもパトカーが待っていたのです。
またしても一方通行。
本当に知らなかったので、心底驚きました。
さすがにこのときは冷静ではいられず、
「見えない!こんな暗い標識、わかるわけがない!」と怒鳴ってしまいました。
それでも判断が覆ることはなく、嫌々、恨みを込めながら、
2日連続で罰金を支払った記憶があります。

「喜んで出せるか」、そこが分かれ道だった
冒頭の「出せば入る」の話を聞いたとき、
真っ先に思い出したのがこの出来事でした。
あのとき、自分は喜んで罰金を払えていたでしょうか。
答えは、まったくの逆でした。
怒り狂って、「金を返せ」とまで口にしていたのを覚えています。
そして、そういう器の小さい自分のままだったからか、
その後の物事もあまりうまくいきませんでした。
あの出来事から3か月後に別居し、半年後には離婚することになりました。
すべてがこの一件のせいだとは言いませんが、
心に余裕がなかった当時の自分を、今振り返ると少し恥ずかしく、
そしてよくわかる気がします。
ダメなときはダメと認める、それでいい
大切なのは、失敗そのものを責め続けることではないと思っています。
標識が見えなかったのは事実だとしても、
「昼間のうちにしっかり道を確認しておこう」
「夜は特に気をつけよう」と、次への学びに変えていくこと。
そして、心に余裕がないと、すべてがガラガラと崩れていってしまうということ。
出すときに笑顔でいられるかどうかは、
結局「心の余裕」があるかどうかにかかっているのだと思います。
すべては自分ごとの人生、それでいい
いろいろなことがありました。
怒って、恨んで、うまくいかなかった時期もありました。
それでも今振り返れば、「これもすべて、自分ごとの人生の一部だったんだ」と、
そう受け止められる自分がいます。
お金を出すとき、笑顔で、喜んで、感謝して出せているか。
次に財布を開くとき、少しだけ思い出してみてください。



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