イヤホンで届かない「おはよう」、それでも見つかる五感の幸せ

日常のエッセイ

届かない「おはようございます」

毎朝、僕はゴミを拾いながらウォーキングをしています。

もう何年も続けている習慣です。

その時に、必ず行っていることがあります。

すれ違う人に「おはようございます」と声をかけることです。

学生さんにも、会社員の方にも、主婦の方にも、

とにかく元気よく挨拶をします。

相手が誰であっても、

僕からの「おはようございます」は変わりません。

でも最近、気づいたことがあります。

返事が返ってこない人が、明らかに増えているのです。

特に20代から30代くらいの、若い方に多い傾向があります。

理由を考えてみると、イヤホンで音楽を聴いている方が多いようです。

中には英語の勉強をしている方もいるでしょうし、

自己啓発の音声コンテンツを聴いている方もいるかもしれません。

理由はどうであれ、共通しているのは「聞こえていない」ということです。

無視されたわけじゃなかった

正直に言うと、最初は少し落ち込みました。

無視されたのかな、と。

でも、よくよく考えてみると、そうではないと分かりました。

ただ、単純に僕の声が耳に届いていないだけなのです。

イヤホンをしている人にとっては、その世界がすべてです。

音楽の世界、学びの世界、自分だけの時間。

それはそれで、とても大切なものだと思います。

色々な生き方があっていい。

人それぞれのペースや価値観があります。

それでも、ふと思うことがあります。

「ちょっと、もったいないな」と。

耳をすませば、聞こえてくるもの

だって、耳をすませば鳥のさえずりが聞こえてきます。

セミもミンミンと元気に鳴いています。

暑い日が続きますが、

時折、頬に心地よい風が当たる瞬間があります。

周りに目を向ければ、アサガオやユリの花が咲いています。

これからの季節にはヒマワリも咲くでしょう。

季節が変わるごとに、花の色も香りも変わっていく。

そのすべてが、僕たちのすぐそばにあります。

イヤホンをしていると、どうしても自分だけの世界にこもりがちになります。

でも、それを一度外して、空を見上げてみてください。

太陽はいつも、変わらずそこで輝いています。

五感を感じる、それが「今ここ」を生きること

五感をフルに使って、「今、ここ」を感じること。

それこそが、人間が人間らしくいられる瞬間なんじゃないかと、僕は思っています。

美味しい空気をたくさん吸って、

ゆっくり吐いて、肩の力を抜いて、そっと微笑んでみる。

それだけで、心が少し軽くなる気がします。

先日、雨が降っていた日のことです。

道端で、バッタが一生懸命に飛び跳ねている姿を見かけました。

「お!頑張ってるね」と、思わず心の中で声をかけました。

そんな小さな発見をした瞬間、

心にふっと余白が生まれるのを感じました。

心の余白を、これからも大切に

その「心の余白」がなくなっていくことは、

なんだか少し寂しいなと感じます。

忙しい毎日の中で、つい効率や情報を優先してしまいがちですが、

たまには耳をすませ、肌で風を感じ、

目で花の色を楽しむ時間も大切にしたいものです。

イヤホンの向こうにある世界も素敵です。

でも、イヤホンを外した先にある世界にも、

たくさんの小さなしあわせが待っています。

今日という日を、五感でめいっぱい感じながら

過ごしていきたいと、そう思う今日この頃です。

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