今日も、笑えない話から始まる。
でも——最後は笑える話になる。
そう信じて、書く。

小雨の朝、駐車場で白い封筒を見つけた
イトーヨーカドーで笑いヨガをやる日の早朝。
小雨が降っていた。
自転車でお店に向かった。
まだオープン前の駐車場を歩きながら、自分に言い聞かせていた。
「今日こそ、笑いヨガを届けるぞ。」
そのとき——足元に白い封筒が落ちていた。
何気なく拾い上げて、開けた。
現金10万円。
上の5、6枚は雨に濡れていた。
でも他のお札は無事だった。
周りを見回した。
誰もいない。
迷いはなかった。
すぐに自転車を走らせて、交番へ向かった。
お巡りさんが言った。
「早く持ち主が見つかるかもしれません。
見つかったら、1割はいただけますよ。」
1割——1万円。
その言葉を聞いたとき、
正直「そんなことより早く届けられるといいな」と思っていた。

笑いヨガは、失敗した
交番を出て、イトーヨーカドーへ戻った。
催事場で笑いヨガのセッションが始まった。
前回書いた通りだ。
エレベーターとレジ袋詰め場所の真ん中という、
なんとも言えない舞台。
20人が10人になり、最後は7人になった。
笑いが広がるどころか——引いていた。
汗をかきながら、どもりながら、30分間を終えた。
その日も、笑いヨガは届かなかった。
早く帰りたかった。
もうこの場所には当分来たくないと思っていた。
警察から電話が入った
セッションが終わって、片付けをしていたとき——
スマホが鳴った。
警察からだった。
「落とし物の持ち主が見つかりました。」
「え、もう?」
驚いた。
「同じイトーヨーカドーの1階、
マクドナルドで働いている女性です。
仕事が終わる5時頃に、現金を持ってきていただけますか。」
また、このイトーヨーカドーに来ることになった。
笑いヨガで失敗して、恥ずかしくて、
もう当分来たくなかった場所に——
同じ日に、もう一度戻ることになった。

待っていたのは、母と2人の女の子だった
5時。
マクドナルドに向かった。
待っていたのは、40代くらいの少しふっくらした女性と、
小学3年生くらいの女の子。
交番で受け取った封筒を渡した。
女性が話してくれた内容に、胸が痛くなった。
「このお金がないと、
この子にご飯を食べさせることができなかった。」
旦那さんの姿はなかった。
一人で子どもを育てているようだった。
「なぜそんな大事なお金を落とすんだ」——
そう言いたい気持ちが、一瞬よぎった。
でも——隣に女の子がいた。
だから、何も言わなかった。

怖い顔で見つめる女の子
お礼として、1割の1万円をいただいた。
そのとき——隣にいた女の子が、じっと私を見ていた。
すごく怖い顔で。
「これはお礼のお金だよ。
僕が取ったわけじゃないからね。」
そう説明しても、ムスっとしたままだった。
お母さんが「すみません」と謝ってくれた。
でも——正直、気分は複雑だった。
一瞬だけ思った。
「届けなければよかった」——と。
でも、すぐに打ち消した。
届けなければ、この女の子たちはその日の夜、
ご飯が食べられなかったかもしれない。
それでよかった。
それしかなかった。
これが、人生初のギャラだ
帰り道、自転車をこぎながら考えた。
笑いヨガのセッションでは、何も届かなかった。
でも——封筒を届けたことで、1万円が手元に残った。
これが、人生初のギャラだ。
そう思ったら——なんか、笑えてきた。
形は全然違う。
想像していたギャラじゃない。
でも、確かに自分の行動から生まれたお金だ。
前向きに考えれば、何だってギャラになる。
笑いヨガが教えてくれた、最初の大切なことだった。

あなたへのメッセージ
うまくいかない日がある。
報われない日がある。
怖い顔で見られる日もある。
でも——その日に動いたことは、
必ず何かにつながっている。
善いことをした。
それだけでいい。
結果は、あとからついてくる。
57歳の笑いヨガ講師が、
雨の朝の駐車場で学んだことだ。



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