「また自分のせいだ」
「なんであんなことをしてしまったんだろう」
「あの時こうしていれば、よかったのに」

夜、静かになると——
自分を責める声が、頭の中でぐるぐると回る。
そんな夜、あなたにもありますか?
私にはあります。今も、あります。
どもりがある。
鬱になった時期がある。
自分が大嫌いだった。
「自分を許す」という言葉を聞くたびに、
どこか遠い話のように感じていました。
許すって、どういうことなんだろう。
許したら、また同じことをしてしまうんじゃないか。
許すのは、甘えなんじゃないか。
この記事では、笑いヨガ講師として
17年間人前に立ち続けてきた私が、
「自分を許すことが怖い」という感覚の正体と、
少しずつ自己受容できるようになった
練習法を、正直にお伝えします。
自己受容とは何か——「許す」の本当の意味

まず、大切なことをお伝えします。
自分を許すとは、過去を「なかったこと」にすることではありません。
許すとは——
「あの時の私は、あれで精一杯だった」と、
ただ認めること。
それだけです。
反省することと、自分を責め続けることは、
まったく別のことです。
反省は前を向く行為。
自責は過去に縛られる行為。
そして——
自分を許せないのは、あなたが弱いからではありません。
あなたが真剣で、誠実だからです。
笑いヨガをしている瞬間、
私はこのことに気づきました。
声を出して、体を動かして、笑いの形を作っている——
その間だけ、「あの時の自分への裁判」が止まっていた。
意識が「今、ここ」に戻ってきた瞬間、
自分を責める声が静かになった。
それが、私が初めて「自己受容」という感覚に触れた瞬間でした。
なぜ「自分を許すこと」が怖いのか——3つの正体

① 「許したら、また繰り返す」という恐れ
自分を責め続けることで、
「同じ失敗をしないようにしている」と、
脳が錯覚しています。責めることが、自分を守る盾になっている。
でも実際には——自分を責め続けると、
自己評価が下がり、行動力が落ち、
むしろ同じ失敗を繰り返しやすくなります。
責めることは、防波堤ではなく、足かせなのです。
② 「許すことは甘えだ」という思い込み
厳しく育てられた環境、
「弱音を吐くな」という空気——
そういった経験が積み重なると、
自分に優しくすることへの罪悪感が育ちます。
「自分を許す=だらしない人間」という等式が、無意識のうちに刷り込まれている。
③ 過去の傷が、まだ癒えていない
小学校の時、先生に言われた言葉があります。
「お前は人前に立てる人間じゃないな」
その言葉が長年、私の中に居座り続けました。
どもりながら話すたびに、あの瞬間がよみがえる。
顔が赤くなる。また自分を責める。
脳は危険から身を守るために、
傷ついた記憶を強く残す性質があります。
過去の傷が癒えていないうちは、
自分を許すことへの怖さは当然あります。
それは、あなたのせいではありません。
自己受容の練習法|私が17年間続けてきた3つのこと
「自分を許す」は、決意ひとつでできるものではありません。
筋肉と同じで、練習を重ねるほど育っていくものです。
練習法① 「あの時の私は精一杯だった」と声に出す
責める声が来たら——その声に、こう返します。
「あの時の私は、それで精一杯だったんだよ」
心で思うだけでなく、声に出すことが大切です。
声に出すことで、脳への定着度が変わります。
最初は嘘くさく感じていい。
続けるうちに、少しずつ本物になっていきます。
練習法②「今、ここ」に意識を戻す呼吸
自責が始まる時、
意識は「過去の失敗」か「未来の不安」に飛んでいます。
そこで——深呼吸をしながら「今、ここ」に戻る練習をします。
鼻からゆっくり吸って、口からゆっくり吐く。
その時に「今、私はここにいる」と心の中でつぶやく。
笑いヨガの呼吸法は、まさにこの練習です。
体を動かしながら呼吸を整えることで、
過去と未来への意識が、自然と「今」に戻ってきます。
練習法③ 小さな「よくやった」と「ありがとう」を積み重ねる
NHKの生番組に出演した時のことを、今も忘れません。
本番中は緊張しながらも、どうにか話し続けることができていた。
でも——カンペに「後3分」という文字が出た瞬間、
頭の中が真っ白になりました。
それでも、やり切った。
スタジオで一緒に笑いヨガをしてくれた、
二人の女性がいました。彼女たちが笑顔で並んでいてくれたから、私は最後まで立っていられた。
番組が終わった後、二つの言葉が自然と出てきました。
「よくやった」——自分へ。 「ありがとう」——あの二人へ。
自分を許すことと、誰かへの感謝は、つながっています。
ひとりで抱えなくていい。
支えてくれた人を思い出すことが、
自分を許す力になることがあります。
大きな成功でなくていい。
今日、外に出られた。
今日、声を出せた。
今日、ここまで読んでくれた——
そういう小さな「よくやった」を、毎日ひとつ自分に贈ってください。
それでも許せない日は、あっていい
正直に言います。
57歳になった今も、自分を責める夜はあります。
「あの言い方でよかったかな」
「もっとうまくできたんじゃないか」——そんな声が来ることがある。
でも——それでいいと思っています。
許せない日があることも、許してあげてください。
完全に許せるようになることがゴールではない。
責めた後で「あの時の私は精一杯だった」と言い直せること——
それが、本当のゴールです。
まとめ|自分を許すことが怖いあなたへ
自分を許せないのは、あなたが真剣で、
誠実で、もっとよくなりたいと思っているからです。
おかしくない。弱くない。
「お前は人前に立てる人間じゃないな」と言われた私が、
17年間人前に立ち続けてきました。
どもりながら、声を震わせながら、
時に頭が真っ白になりながら——
それでも、支えてくれる人がいて、前に進んでこられた。
自分を許すことは、甘えじゃない。
弱さじゃない。 許すことは——前に進むための、一番静かな勇気です。
あなたの中に、もう一人の優しい自分が必ずいます。
その自分が、「あの時の私は精一杯だったよ」と、
静かに言ってくれるのを——少しだけ、待ってあげてください。
どん底を経験したからこそ、
同じ場所で苦しんでいる人に届く言葉がある。
それを信じて、今日もここに書いています。


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